1人推理物談義

寒い。寒くて丸まった猫のようになって動けない。凍える・・・もう、冬がはじまるね。

まだ「黄色い部屋の謎」は途中なんですが、今中断してます。ウチは父さんが少し本を読むのですが読み終わった本棚の中に「ナイチンゲールの沈黙」があったんです。これは今TVでやっている「チーム・バチスタの栄光」の続編です。チーム・バチスタは「このミス」で大賞を取った作品。なので名前は知っていたんですが医療の物語だって事で手が出なかったんですよね。ですがウチにあれば話は別。いきなり続編から続きものではないし・・読んでしまいました。が、これが思ったより面白かったんですよね〜。普通に医療関係の話が延々かと思ったら実は事件ものだったという。着眼点がいい。病院って多分1番生と死がリアルで近いよね。生きていく事と死んでしまう事をものすごく実感するのに死は毎日の出来事のようにある。もちろん、故意ではないけど人の手によって死んでいく事もあってしまう場所でしょう。そういう当たり前(って言い方はよくないけど)であるはずの事が実は「殺人」に変換してしまうとまったく違うものになりますよね。なるほど〜と思いましたよ。
でも「ナイチンゲールの沈黙」はべつに病院関係ない・・事件よりももっと違う所がメインになってますよね。事件的にはレベル低かったかな。それでも面白かったけど。じゃあチーム・バチスタの方が面白いのでは?!と思って即買い。こっちの方が私的に納得いった作品でした。「このミス」って結構スカが多いんだけど(笑)今回は当たりだったよ!
それで今は4冊目の「イノセント・ゲリラの祝祭」読んでます。これはもう完全に医療問題の話。専門的な言葉ばっかり出てきてあまり理解してないんですが(苦笑)何故か面白い。いかに「相手」を「欺くか」ですな。この作者の海堂尊はユーモアがある。医者(最近多いな、自分の仕事の分野を題材にしている人)なので専門的用語とかはずらずら出てきて意味がよく判らないのですが人のあだ名の付け方とかね、この話の面白い部分であるその「欺き方」って言うんでしょうか、それを2重3重に仕掛けるその人の考えが面白い。そういう所に知性を感じるんだわ。トリックとかそういうもので「凄い」と思うものもあるけどそれは絶対的に理論が出来ていて(それはありえないって事もあるけどトリックにはそういうものがあってはいけないと思う。じゃないとトリックとは言えないんじゃないか?)その道すじをたどる事で初めて出来る事ですよね?だから推理ものを書くときは終わりから考えないと出来ないと思うんだけど。そこからその終わりにどう理論的に表現出来るかって事であるので何かしら方法があるわけですよね。出来る方法が。それを考えるというよりかそのやり方を調べるって事だと思うのでそれが凄いいいからって頭がいいとは思わない・・例えば「こうすれば電球が付くんだよ」っていうのも電球が付く事より電球を開発した人が凄いのではって事です。もしチョコレートで電球が付いたらそれは世界的な発見かフィクションですよね。だったらこの主人公の白鳥圭輔のあだ名が「火食い鳥」っていう方が凄いなぁって思う。だってこのキャラクター自体を生み出しているんですから。それで「上手いっ」って納得してしまうキャラクター造りがまた上手いって思うんです。
判っていただけたでしょうか・・・ははっ
実は3作目の「ジェネラル・ルージュの凱旋」出てたの知らなくてすっ飛ばした(笑)