限りなく透明に近いブルー

村上龍の「限りなく透明に近いブルー」を読みました。薄い本だったので一気に読み上げました。
うーん・・濃い。そしてあまり意味が判らなかった。。。話の場面の変わり方がいきなりで展開がよく判らなかった。それと話ね。暴力と性が渦巻く中の人々がまた凄すぎて。この物語には結末がないように思う。だから凄いリアリティを感じます。物語と言ってもいいのかな。
やってる事は壊れた行為なんですけどただ、この頃の人たちは「本気」だと思う。気迫せまるものとか、何を思ってこういう行動をとっているのか・・今も昔も何かを見つけられなくてただ反抗的、快楽を求めている人は多いと思うけれど昔の人はそこに何かを持っていたんじゃないかと思う。今の若い人たちがーここまで出来るとは思わない。時代っていうのもあるかもしれないけど。「若かったから」の一言で片付けられるものじゃない。そこは今の自分にも欲しいものです。
あまりよく判らなかったけれど印象に残る所がありました。「いいか、よく見ろ。まだ世界はオレの下にあるじゃないか。この地面の上にオレはいて同じ地面の上には草や木や転がるボールを追う女の子や、駆け回る子犬がいる。無数の家々と山と河と海を経て、あらゆる場所に通じている。その上にオレはいる。怖がるな、世界はまだオレの下にあるんだぞ」
今の自分にとても響く言葉でした。きっといつかーいつか、ね。
それからここに音楽がちょくちょく出てくるんですが・・・ドラッグでおかしくなりながら聴く音楽に酔いしれる場面に音楽に怖さを感じてしまいました。昔はロックは不良が聴くものーなんて言われていたと親が言っていたんですがこれを読んで判った気がした。私の中で音楽はとても素晴らしいもので、お酒も呑めないのに浸れるあの瞬間をこの本でドラッグと同じ感じなのかーなんて考えてしまいましたUいや、音楽が危険なものだとは思わないけれどそんな力が音楽には秘められているんだなぁと・・・
あんまりおすすめしない1冊ですが、考えさせられる1冊ではあると思います。